2022年12月26日
一片冰心在玉壷について。

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こんにちは、信州塩尻市・欅の森書道会です。
少し間が空いてしまいましたが。
今回は競書誌「書象」2023年1月号の「基本」の課題、
「冰心在玉壷」について、書いて行きたいと思います。
「冰」は「氷」に同じ。
唐代の王昌齡の詩から5文字を選び出したもので、
調べてみますと、良い言葉であるからか、
「一片氷心在玉壷」で中国のドラマのタイトルにもなっている様です。
元々の詩は七言絶句にて読まれております。
芙蓉楼送辛漸
寒雨連江夜入呉
平明送客楚山孤
洛陽親友如相問
一片氷心在玉壷
…とあります。
「芙蓉楼」は建物、「辛漸」は人名ですね。
現代に比べて、別離が非常に重い意味をなす時代です。
漢詩の世界では多く、詩人が友人を送る場面が読まれていますね。
この詩も他者を送る詩なのです。
「寒雨」冷たい雨が、「江」川に降りしきる中、夜のうちに呉に入った。
「平明」明け方に、「客」辛漸を送る際、「楚山」(山の名)が「孤」ひとり聳え立っている。
「洛陽」(地名)の親友が(私の事を)問うのならば、(こう答えて欲しい。)
「一片」ひとかけらの「冰心」氷の芯が、「玉壷」水を張った玉の壷の中に浮かんでいるようだ、と。
一片氷心在玉壷は「清らかな心」を意味する言葉だそうです。
なるほど、我らが信州の寒さも厳しいものがありますが、
屋外に出したバケツなどに浮かぶ氷が、強い冬の日差しに照る様は、
かくも美しいものと体験したことがあります。
「冰心在玉壷」はそんな情景を表した言葉となります。
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次回の欅の森書道会、教室開講日は、
新年明けまして、1月8日となっております。
日曜日の開催となります。
普段の月曜日ではありませんので、ご留意の程を。
年末年始、欅の森書道展、書象展の作品制作と、
また競書の課題に取り組むカタチとなります。
より良い励み、年越しとなります様、お祈り申し上げます。
今回の競書の課題で、気を付けた方が良いポイントとして、
玄山先生から皆さんに共通してあった部分は以下の通りでしょうか。
基本:「冰」の「フ」の部分は右隣の線から引き離す。
楷書:「之」の2画目と3画目は離さない。
仮名:さざんかの“ざ・ん”の間は切れない。続けて書く。
硬筆:「状」は上の賀から続いている様に見えるが続けない。
あくまで「状」の書き出しは左上の点から。
古典:書譜の書き方は、一拍置いて空間を出す。
以上です。
それでは励んで参りましょう。
ありがとうございました。
2022年12月20日
次回は1月8日です!

こんばんは、信州塩尻市・欅の森書道会です。
次回、教室の予定が変更になり、8日になりましたので、取り急ぎご連絡致します!
昨日の書道教室は皆様お疲れ様でした。
その内容はまた近日に。
まずはご連絡をば!です!
2022年12月16日
「書象」2023年1月号、届いております。

こんにちは、欅の森書道会です。
「書象」2023年1月号、そして隷書条幅のお手本も2段目に格納されております。
来週月曜日、19日の教室まで励んで行きましょう!
2022年12月13日
15日、競書とお手本をお取り下さいませ。

こんにちは、信州塩尻市・欅の森書道会です。
次回、教室の予定は来週19日です。
今日は12月も半ばと言うのに強い雨。冷たい雨でしたね。
冷たさは冬だからこそ…ですけれど、
雪の字が入った言葉をSNSでは散見したりする中で、
信州、私達の中信には雪は薄く、遠く山々の頂に見えるのみ。
季節感がないと言える様な、雪を待ち遠しくも思うからこそ、
季節感を請い季節らしさがある様な。
それでも書道は屋内が基本ですから相変わらずと楽しみ多く、
励む事は出来る訳でして…。
新聞で後から知った事で申し訳ないのですが、
先週末なども書道展はいくつか催されていた様です。
アンテナを張ってはいるつもりなのですが、なかなかどうして。
もし、「こう言う話があるよ」と情報がありましたら、
ご一報くださいませ。このブログと言うカタチですけれど、
共有させて頂けたらと存じます。
さて。
近日15日には、新たな2023年1月号の競書誌「書象」が届く予定です。
その際に、条幅のお手本につき、
玄山先生が揮毫して下さっております。
お手本も合わせてお持ち頂く様、会員各位、お願いを申し上げます。
本日はご連絡事項のみで申し訳ありませんが以上にて。
ブログの根多は、また探しておきます。
2022年12月06日
12月の教室1回目、今後の予定。

こんにちは、信州塩尻市・欅の森書道会です。
昨晩は2022年12月の教室、1回目でした。
お出掛けになられた皆様、お疲れさまでした。
昨日は来年、2023年のスケジュールが明らかになりましたね。
以下に記載致しますので、ご確認下さいませ。
1月9日:競書提出日
1月15日頃:2022年2月号が届く
1月23日
2月6日:競書提出日
2月15日頃:2022年3月号が届く
2月20日:欅の森書道展の締め切り(大谷表具店さん)
3月3, 4, 5日:欅の森書道展(松本市美術館にて)
3月6日:競書提出日
3月15日頃:2022年4月号が届く
3月20日:書象展締め切り
…となります。
また2022年1月号の条幅課題が来週のはじめに教室に先生から届く予定です。
なかなか忙しいですが、
昨晩、私宗風は玄山先生からお手本を頂戴し、
相も変わらずの見事な作品を目の当たりにして、
このお手本で作品を作る喜びを感じていました。
展覧会の度、先生が書いた作品に挑むことが出来る、
その背中を追い掛ける事が出来る…幸せなことだな、と思うのです。
如何にして時間を作るか…が課題ではありますが、
お手本を書いて下さった甲斐に報いる為にも、
一生懸命に取り組みたいと思います。

第75回長野県書道展覧会 松本地区展のポスターも。
これは今週末、9日から11日となっております。
では本日はここまで。
ご連絡事項など、でした。
2022年12月01日
明日非所求…明日は求むる所にあらず。
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こんにちは、信州塩尻市・欅の森書道会です。
次回の書道教室は12月5日となっております。
2022年11月号の競書誌「書象」の課題提出日です。
昇段、昇級試験があった方は、
おそらくは当日に新たな段級位を教えて頂けると思うので、
競書課題の段級位部分は空白にしてお見えになって頂いて、
当日に書き加える形がよろしいかと存じます。
朧気ですが、細めの筆ペンの用意があった様な…
心配な場合は1本、お持ちになった方が良いやも知れません。
硬筆の場合は、お使いのペンもあった方が良いかも、ですね。
さて、今回は現在取り組んでおられる事と存じますが、
「書象」2022年11月号の基本課題から。
「明日非所求」とあり、これは陶淵明の「游斜川」より。
陶淵明は、陶潜とも。
彼の別の詩には「歳月不待人、歳月人を待たず」と言う、
この時期に特に耳にする一節もありますね。
「游斜川」、「斜川」は地名です。「斜川に遊ぶ」と言うもので、
人生の晩年を憂いながら斜川の景色を眺め、その後半に、
未知從今去:未だ知らず、今よりのち
→ 今より先のことは分からない。
當復如此不:まさにまた、かくの如くなるべきやいなや。
→ 今日の様な、同じようなことが出来るか分からない。
中觴縱遙情:中觴、遙情をほしいままにし
→ 中觴は盃の半ばまで酒を飲む…の意。
遙情は遠く離れた、逸脱した思い。現世を超越する思いを表すとのこと。
忘彼千載憂:彼の千載の憂ひを忘れん
→ 死と言う憂いを忘れてしまおう。
千載はずっと思い続ける、懸案の…と言う意味。
且極今朝楽:しばし今朝の楽しみを極めん。
→ 今を楽しむことにしよう。
明日非所求:明日は求むる所にあらず
→ 明日の事は今考えなくて良いよね。
…と言うもの。憂うものはある。
けれども、明日どうこうと更に憂いでいるよりは、
今をちゃんと楽しんで行こうじゃないか…と、
最初は辛い気持ちがあったが、風景やお酒、客人と楽しむこと、
そうした楽しみの中で、思い直す。憂いを置き去る…と言う詩ですね。
…そう解釈しました。自分なりに、ですが。
実は3月に開催される予定の「欅の森書道展」への作品制作について、
玄山先生へのお手本の依頼、この後半部分の一部をお願いしました。
後半4行の中から「忘彼千載憂」を抜いて。
本来、5文字2行1セットなので抜かない方が良いとは思うのですが、
終わりを意識するからこそ大切なことに気付く…とも思います。
お酒と共に思う気持ちの中で、
憂いも嬉しさも全て飲み込んで、良い心地の今、
今こそ…と思いたい。
…半切、条幅長さについて、14文字前後がベストで、
10では短く、20では多いと言うことで、そうなった…と言う所なのですが。
「欅の森書道展」の為、お手本の依頼がまだの方、
書道教室上のどこかに依頼向けのA4の紙1枚があると思いますので、
是非、ご記入くださいませ。
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展覧会と言えば、年明けの松本市美術館において、
「第21回美術館友の会 会員作品展」が催されます。
23日の休館日がありますが、2023年1月18日から1月29日まで。
先日の教室で御子柴英遠さんよりお話を頂戴致しました。
出品料は1000円、友の会会員でなければならないので、
年会費3000円が費用として必要ですが、
入会と共に、美術館の企画展の招待券と、
信山先生の作品群も含むコレクション展示の無料観覧が特典で、
…こう言う言い方は良くないかも知れませんが、
「元は取れる」と言うカタチです。
今回から、私、宗風も参加してみたいと思います。
また追加で情報がありましたら、ブログにてご報告致します。
では、本日はここまで。
なかなか課題の出典を追えずじまいでおりましたが、
ようやく書く事が出来る内容になりました。
それでは次回12月5日、年内の最終日は19日となっております。
本日から寒くなるとの事ですので、どうぞめいめい様、ご自愛下さいませ。
欅の森書道会、Web担当の宗風でした。

(画像がないとブログとして締まらないので、
拙作で恐縮ですが、游斜川の一節を書いたものをアップしました。
どなたかお許し頂けるなら、作品などもアップロード出来たら…と思います。
お声がけくださいませ~。)