2024年05月29日
次回の欅の森書道会は6月3日です+言葉の解説、簡単に。

・
・
こんにちは、あるいはこんばんは。
信州塩尻市・欅の森書道会、Web担当の宗風です。
お馴染みです。
いつもこうしてご覧になって頂きまして、誠にありがとう存じます。
本日も欅の森書道会のご連絡ごと、お喋りさせて頂きます。
随分と世の中が明るくなって参りましたですねぇ~。
翌日の豪雨を予感させる様な空模様となっておりますが、
本当に撮りたかった風景と言うものは、
私が訪れる18時過ぎであっても明るく、良い季節だなと言った所でありますが。
去る5月27日に書道教室がありました。
5月の2回目。
続く6月の1回目は、6月3日となっております。来週です。
1週間の間隔にて、この月日は対応となっておりますので、
ご承知おき下さいませ。
これ、第63回書象展が2024年6月13日から23日の会期で、
国立新美術館にて開催される事に由来している様です。
6月の第2回目は17日です。普段の場所と異なり、
欅の森書道会の総会も兼ねますので、
松本市の「燦祥館」に集合となっております。
5月27日の書道教室内で配布された資料をご覧になって頂きたいのですが、
懇親会もありますので、どうぞよろしくお願い致します。
次回6月3日は競書の提出日であり、
また年度の切り替わりになりますので、年会費の納入のお願いがございます。
月々のお月謝5000円に加え、年会費の5000円が必要となりますので、
お知りおき下さいませ。
最後に12月までの予定が掲示されておりましたので、こちらでも。

ご予定下さいませ。
・
さて、簡単に課題の言葉の解説を行います。
書道のお稽古は、いつしたって良いものですが、
来月には来月の課題がありますし、
今月の課題は一応は3日までですので、
聞いて頂きたい旬の時期がありますよぇ、そりゃそうです。
今回は教室の黒板に玄山先生より解説もありましたが、
それも含めて2句、ご解説致します。
まずは条幅の課題「銷魂奈若何」、
こちらの出典は自分では見つける事が出来ませんでした。
「銷魂、若を奈何せん」、
「しょうこん、なんじをいかんせん」と読みます。
特徴的な「銷」の字は「消」の代用字、同字とのこと。
旧字的な扱いではないのですね。
「銷魂、消魂」は、驚きや悲しみのあまり、魂を無くす、心を失うこと、または我を忘れて没頭することを意味します。
「若」は「なんじ」で、「如何せん」と書く場合もありますが、
「奈何せん」でも同様に読みます。
「どうしようか」と言った意味。
「消魂について、君はどうするんだ」と言う感じでしょうか。
この悲しみ、また驚きを君はどの様に受けるのか。受けてどうするのか。
もしくは、
没頭している君はこのあとどうするのか、何になるのか。
そんな様な解き方が良さそうでしょうか。
漢詩の世界は喜びも多いですが、悲しみもそれ以上に多い。
別れや怒りなどもあります。どちらかと言うと前者の意味ではないか…と、
そう思いますが、いかがでしょうか。
書きながら、お稽古しながらひとつ心に留めて頂ければと思います。
・
【基本】課題の「功成而不居」は、「功成りて居らず」と言う読み方。
「成功して、その場に留まらない」…と言う意味です。
「老子」の第2章「養身」に出典があります。
天下みな美の美たるを知る。
これ悪のみ。
みな善の善たるを知る。
これ不善のみ。
故に有と無、相生じ、
難と易、相成り、
長と短、相形り、
高と下、相傾き、
音と声、相和し、
前と後、相随う。
これを以って聖人は、無為の事に処り、不言の教えを行なう。
万物ここに作るも而も辞せず、
生じるも而も有とせず、
為すも而も恃まず、
功成るも而も居らず。
夫れ唯だ居らず、
ここを以って去らず。
…と言った終盤、最終行から数えて3節目にありますね。
大意としては聖人、立派な人、目指すべき人の在り方を説いています。
先人が、リーダーが自ずから模範となれば民はついて来るものだ、と。
それが結果的に「養身」となる。
「因果応報、情けは他人の為ならず」と近しい意味の項だと思います。
「功成りて居らず」
良いこと、良い成果があって、それに慢心しない、
また功を他人に譲る、分け与える。
そうした意味まで含むのではないかと思います。
特許の件でもそうした話がありますよねぇ。
技術を独占する為に必要な特許も、利権を守る為には絶対に必要なものです。
しかしながら革新的で文化を進ませる意図があるならば、
オープンソースの考えですよね。
業界を盛り上げるならば、独占しないで広げた方が良い場合もあると言う。
そんな言葉が課題となっております。
・
・
…と駆け足で2題、お手本の言葉を解説致しました。
今日のお稽古の参考になれば幸いです。
それではまた次回。引き続き、よろしくお願い致します。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
2024年05月20日
「書象」2024年6月号「研究」の課題は盧之翰の句です。

・
・
こんにちは、あるいはこんばんは。
信州塩尻市、欅の森書道会、Web担当の宗風です。
本日も、しばらくの間お付き合いを願っておきます。
季節は初夏に移ろうか、そう言えば私どもは書家であるなぁ…と、
しみじみ思ったり致します。
お寒うございます。どうしても言いたくなってしまったのでございます。
何ものっけからやらなくても良かろうに…とは思いますが。
私、宗風が働きに出ている善知鳥峠の周辺には野鳥が多く住み、
春頃はウグイスが鳴きます。
谷間また山間ですので、山にこだまして良く響き、実に洗心を誘うカタチ。
先日、カッコウに成り代わっておりまして、
ああ、季節が変わったんだなぁ、と思ったものでございます。
よく利用するコンビニの防犯カメラの上には、
例年通りにツバメが巣作りを終え、気が付けば小さいくちばしがひしめいており。
…と野鳥の歳時記をお喋りさせて頂いた所で、まさに打ってつけのこの詩でございまして…。
山花迎客咲 谷鳥避人啼
山花、客を迎えて咲い、谷鳥人を避けて啼く
この盧之翰(ろ しかん)の句は高名たるものであるらしく、
検索すると、よく出て来ますね。
しかしながら、盧之翰とはどんな方か…と調べてみると、
こちらはなかなかに情報を得られませんでした。
山中にて、花は笑っているかのように客を迎え、
谷中の鳥は人に見えない所で啼いている…と言うところ。
人に見えない…はどこかしこで、と言う情景に置き換えられる気がしますね。
玄山先生も添削中に仰っていた、それを聞いた記憶がありますが、
「咲」と言う字は「笑」に同じだそうです。
「笑」は「さく」とは読みませんが、「咲」は「わらう」と読む事があります。
辞書的なものによると「咲」の本字が間違えて伝わった際に、
「笑」が生まれ、意味を為し、今に繋がっている…とも。
今回の課題の中は「笑」が使われております。
これまであまりこうした検索結果が無かったのですが、
色んな流派の書道教室で題材になっている言葉のご様子。
もちろん「咲」のものもあれば「笑」のものもあります。
お手本を見比べて書風の研究にも良いかも?ですね。
…と、本日はここまで。
ちょうどお時間となっておりまして。
それではまた次回と言うことで。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
2024年05月15日
5月13日は書道教室の開講日でした+書象誌、届いております!

こんにちは、あるいはこんばんは。
信州塩尻市・欅の森書道会です。
本日もWeb担当の宗風がお相手致します。
どうぞ、最後までお付き合いの程を願っておきますが…。
さて、13日に5月第1回目の書道教室が開催されました。
当日は18時から30分、欅の森書道会の役員会も開催され、
おかげで、後半に出掛ける事が多い私、宗風も、
前半にお出掛けの方々とお会いすることが出来、嬉しい心持ちになったりもしました。
さて、やはり喜ばしいことは祝わねば。
第63回書象展の結果が出ており、
欅の森書道会からは、
書象賞に柊花さん、特選に白水さん、秀作に師竹さん、優華さん、涼香さん、閑雲さんが選ばれておりましたね。
おめでとうございます!!
第63回書象展は2024年6月13日から6月23日まで。
国立美術館の展示室【 2C, 2D 】にて。入場無料となっております。
そして、続いて県展のお手本を、
樋口玄山先生から受け取られていた方もおられたのではないか、と。
また新たな書道展への道が始まりますね。
次回は5月27日ですね。
写真としては冒頭に掲載しておりますが、
競書誌「書象」2024年6月号、届いております。
27日までに再び励んで、お会い致しましょう。
その先、6月は3日、17日となっており、
17日は欅の森書道会の総会となっております。
6月3日は普段のお月謝に加えて、書道会の年会費を集めます。ご承知おきを。
以上、ご連絡事の今回の更新となっております。
宗風でした。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
2024年05月07日
木に墨で書く、と言うこと。

(写真は白骨温泉の沢)
・
・
こんにちは、あるいはこんばんは。
信州塩尻市・欅の森書道会、Web担当の宗風です。
明けました、ゴールデンウィーク。
正月みたいにめでたいか…と言うと、どうでしょう。
天気もおおよそ、寒暖の差こそあれども良かったのではないでしょうか。
お楽しみ多い、春過ぎての初夏、過ごし易い季節になった喜びを、
こう、爆発されていたりなんかされると幸いでございます。
次回の欅の森書道会は、5月13日となっております。
競書や昇段、昇級試験の取りまとめ、締め切りの日付となっておりますので、
皆様、めいっぱい励んで参りましょう…と言うお知らせをまず。
今回と言うものは、ゴールデンウィークの前半にありました出来事にて。
私自身、とても参考になった、学びになった…と言う事がありましたので、
ここに書き残しておきたく、ご報告しておきたく、
しばらくの時間、こうしてお付き合いを願いたいと言う次第でございます。
・
時に私が欅の森書道会に通い始めて6年になるのが、9月でございまして。
きっかけに、欅の森書道会の皆様にお馴染みの笹井酒造さんがいらっしゃいます。
その頃、書道教室を探していた自分は、
勤務先、会社から程近い教室に電話をしたものの、ある事情から断られてしまって、
なかなかね、そうした習い事で断られるなんて思ってもみなかったものですから、
ちょっとだけ落ち込んでいたんですね。
その時に、「欅の森書道会って教室があるよ」と教えて下さったのが、
お酒のご縁でお付き合いのあった「笹の譽」を醸す笹井酒造さんだった…と言うことなのですが、
今回も、そんな笹井酒造さんからメールを頂戴しまして。
何でも何枚かお贈りして、かつ飾っても頂いている色紙を見た、
白骨温泉の「白骨齋藤売店」の社長さんからお呼びが掛かった、と言うのです。
お電話してお話を伺ってみると、
白骨温泉郷唯一の売店である「白骨齋藤売店」の隣に、
カフェをオープンするのだとか、そしてその際に使用する、
「営業中」の字を書いてはくれないか、と言う事でした。
これまでにも花岡さんが神社の石碑に彫る字を揮毫する…と言うお話を伺いましたし、
市之瀬さんは俳句の文言を短冊に…と言うお話もありましたね。
こう、ご縁でこう言ったお話がある事もある、そんな認識でおりますが。
私達、現代の書道を学ぶものにとっては、
基本的に紙で全て所作を行う…と言う様な認識でおります。
篆刻はありますね。これは石です。
お手本、臨書などは過去の石碑より写し取った拓本を見ますが、
これも石碑ですから石ですね。
後は写真で「木簡」に書かれたものも時折拝見します。
特に古来にある、紙が登場する前の世界である「木簡」と同じ、
「木」に書く、実はこれが慣れのない分野になると言う。
何だか逆流現象みたいで不思議な心持ちでした。
「木」に墨で書く、と言う事は、
墨が木に滲んでしまって、うまく表現できない、と言う事でもあります。
その為に専用の「木書液」なるもの、木に書くための墨汁がありますし、
墨を使いたければ、「との粉」で表面加工をすると良い、など。
様々な知識がありますね。
木にしても石にしても、紙→スキャナ→印刷または機械彫りもひとつのやり方でしょう。

こんな感じに書いて来ました。鉛筆で下書きをして一発書き。
粘りの強い木書液だったので、筆運びはゆっくりと。
そして、防水耐性を付けるために、
油性のシリコンラッカースプレーを2重に吹きかけて帰って来ました。
そう言えば、墨を使う場合には水に溶けにくいものを選ぶと、より良いそうですね。
木の乾燥度合い、表面処理などによってはヤスリ掛けも必要だったり。
良い経験、多くの学びを与えて頂きました。
この日以降、ホームセンターに出掛けて行って、
木の棒、木の板を見掛けますと、キャンバスに見えて仕方がありません。
「この木には、これを書いたら素敵かしら」なんて。
紙においても、料紙や色付き、模様付きのものでは趣が違いますね。
書の世界は文字を扱うことが本懐ですから、
そうしたお楽しみもあっても良いのかも?と存じます。
件のお店は、基本的には金土日、週末辺りに営業されるそうです。
秘湯、白骨温泉やお隣の乗鞍温泉なども含めて、
もし足を運ぶ機会ありましたら、十石山の美味しいお水、
コーヒーの焙煎を注文を受けてから、その場で行う1杯も楽しんで頂けたら幸いです。
…と、そんなところで、ちょうどお時間。
連休も挟むことから遠くに感じていた5月1回目の書道教室も、もう1週間を切っているのですね。目前。
変わりなく、益々と励んで参りましょう。
最後までお付き合い頂きまして、誠にありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
Posted by 欅の森書道会 at
19:27
│Comments(0)
2024年05月02日
ブラックジャック展について

・
・
こんにちは、あるいはこんばんは。
信州塩尻市・欅の森書道会、Web担当の宗風でございます。
本日もしばらくの間、お付き合いを願っておきますが…。
上條信山先生の常設展、コレクション展示も本年度第1期が始まりました松本市美術館。
現在の企画展は6月2日までの会期で、
「手塚治虫 ブラックジャック展」が催されております。
松本市美術館友の会の総会を前後して拝見しましたので、
ちょっとしたご報告をば、と。
「工芸の五月」が始まりまして、
松本の街全体がクラフティックな意気を増しております。
是非、この機会に様々なものを見て触れて感じて頂けたら…なんと言う所です。
ご存知、稀代の漫画家「手塚治虫」、不朽の名作と言う賛辞を受け取る名作を、
いくつも発表されている方ですよね。
その代表作のひとつ「ブラックジャック」を見たことがありますでしょうか。
ええ、ありますよね。知ってはいる。
それが自分でもあり、実は多くの方の現状ではないか…と存じます。
では、「ブラックジャックの漫画を読んだことがあるか、内容を覚えているか」と言うと、
どうでしょうか。自分としては、実はグッと減るのかも知れない。
そんな風に思います。
漫画「ブラックジャック」が連載されていたのは1970年代。
随分と古い。今回の展示には、手塚治虫先生の生原稿が多くありまして、
連載当初はスクリーントーンが使われておらず、途中からスクリーントーンが出て来ている。
そこにも時代の証が書き込まれている訳です。
有名だ、知ってはいる、何をして活躍したキャラクターか知っている、
「ブラックジャックによろしく」と言う漫画があってドラマにもなった…
しかして、その漫画を読んだ事がない。むしろ現代ならば図書館にあるくらいの、です。
では、この美術館の展示を見たとして分からないか。
意味がないのか…と言うと、とんでもない。そんなことはない。
自分の体験として、如何に感動したか、夢中になったか、
「ブラックジャックは、ピノコはそう言うキャラクターだったのか!」と、
真実を刮目して体験した感覚です。
実際に、3時間ちょっと滞在していました。休みなく作品を眺め続けてあっと言う間に。
疲れる事すらも忘れて拝見しました。
展示は、生原稿を1話フルセット用意されたものと、
テーマごとに1話から1ページの生原稿と数カットのパネルになったもの、
これが100点、100話以上はあるでしょう、それを眺めて行く。
ブラックジャックは「ゴルゴ13」みたいな無口で冷徹なキャラクターだけれど、
手術の腕だけは良い…訳では無かったし、
とてもとても人間臭い人だったし、
ピノコの存在もマスコット的な見地かと思ったら、全然違いました。
生い立ちからしても凄まじいものがある。
手塚治虫自身の医の道を進んだ時の葛藤もある。
今に通じる社会性もある。この時代と同じなんだと思う所、
その価値観では今には通じない、変わった所だ…と言うところ。
見て感じて考える。
そう言う展示でした。実に興味深い。
2回に分けてじっくり見る…が個人的にはオススメです。
2時間くらいを2セットかな。
3時間少し掛けた自分も全てを見尽くしてはいない訳で。
是非とも合わせて上條信山先生のコレクション展示も、
また草間彌生さんの展示も何度体験しても異空間に飛べますし。
「松本市美術館友の会」の関係では、
7月20日に昨年も欅の森書道会の皆さんには、
たいへんお世話になった書道のワークショップも開催されます。
美術館にまつわるところ、色々とございますので、是非とも是非とも。
そんなお知らせでした。
ワークショップ、模造紙に大きく字を書いて一緒に写真を撮ろう!みたいな企画でやってみたいと思っております。
またお知恵を拝借、ご相談などさせて頂くと思いますので、
よろしくお願い致します。
…と言う内容だと、書道教室のブログと言うより、
美術館の噺になってしまってはおりますが、
一環として…なんてところで、本日はここまで。
ちょうどお時間となってございまして。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
Posted by 欅の森書道会 at
13:28
│Comments(0)