2024年08月20日
8月19日は8月2回目の研修日でした+「雲来鳥不知」について。

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こんにちは、あるいはこんばんは。
信州塩尻市・欅の森書道会、Web担当の宗風です。
お馴染み様でございます。
本日もお暑い中でございますが、
しばらくの間、お付き合いを願っておきます……と、
しかしてどうでしょうか、
朝晩は少しだけ暑さに翳りが見え始めましたでしょうか。
夏至の頃に比べれば、夜が早く訪れる様にもなりましたし、
何となく、どことなく、
まだまだ熱中症への警報だってテレビラジオで言ったりもしますけれど、
秋はそんなには遠い世界じゃないのかしら…
…なんて思ったりも致しますね。
昨晩に欅の森書道会の研修があり、
次いでは9月9日、9月23日でありまして、
更に10月4日、5日、6日で「欅の森書道展」がございます。
季節は涼しくなって参りますけれども、
意気は熱く過ごすことになりそうな、そんな時候かと存じます。
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欅の森書道会の連絡網で、普段は15日に届けられる書象誌、
お盆期間もあって早めに届けられ取り組む事が出来ました。
連絡網があったから良いかしら…と、
前回のブログでは到着次第、記事を書くと言いながら、
本日まで漫然と致しておりまして。
ともあれ、そんなカタチで、
競書誌「書象」2024年9月号の課題へ入っておりますが。
9月号の条幅は「雲来鳥不知」の隷書5文字であります。
「雲来たれども鳥知らず」ですね。
調べてみますと、この言葉は本来は7文字ある詩の一部の様です。
「深樹雲来鳥不知」が原文です。
「雲が来たことを鳥が知らない」
…ことはあるのだろうか、ですね。空を飛ぶ鳥が雲を知らない=見れない状況とは。
先頭に「深樹」が入ると意味が少し変わりますね。
深い樹木、森の中にあって雲の流れを鳥が感じることが出来なかった…、
…と言う意味になるのではないでしょうか。
この言葉が含まれる詩は、
「山中酬楊補闕見過」と言う題の詩になり、
唐代の「錢起(せんき)」の作となります。
錢は銭の旧字ですね。
酬は報いる、返事をすると言う意味。
楊には柳、ヤナギの意味、
闕は宮城の門、またはその両脇にある物見やぐらを指す言葉だそうです。
山中の柳を補って報い、闕を見過ごす?
…山の中で柳を払いながら進んでいたら、宮城への入口を見過ごしてしまった…
そんな意味のタイトルになるのでしょうか。
全文は以下のような詩になります。
日暖風恬種藥時,
紅泉翠壁薜蘿垂。
幽溪鹿過苔還靜,
深樹雲來鳥不知。
青瑣同心多逸興,
春山載酒遠相隨。
卻慚身外牽纓冕,
未勝杯前倒接離。
薜蘿は、「へいら」と読み、つる草の様な植物を指します。もしくは隠者の衣服、住まい。
青瑣は、「せいさ」と読み、構造物の状態を指すカテゴリの言葉。
塀や装飾具、机…緑青(ろくしょう)を塗ったものを言うそうです。
卻は「却」の旧字。かえって、しかしながら。
纓は、「えい」と読み、冠の後ろに付く装飾具、または顎紐。
冕は、「ベン」と読み、「冠・かんむり」の意味を為します。
何となく意味、想像できますでしょうか。
方々調べてみたのですが、日本語の書き下し文が見つかりませんでした。
タイトルを踏まえつつ、特殊な上記の言葉をフォローすると、
何となく意味が見えて来る気がしませんか。
暖かく安らかな風が吹き、薬の為に種を撒く時期になった。
泉には赤(夕日)、壁には緑、つる草が垂れている。
奥深い渓谷には鹿が行き、苔むして静まり返っている。
森の深さは雲の行方を鳥に知らせないほどである。
青瑣と同じように心は落ち着かない。
春の山を思う楽しみな気持ちは、遠方より酒を飲みにやって来る時の気持ちに似ている。
しかしながら、後悔が後ろ髪を引く様に体を引っ張る。
勝利の盃を果たす前に倒れてしまった。
…と言う様に意味を解いてみましたが、はてさてどうでしょうか。
参考になる文献が無いと言うのは、実に心もとない。
しかし、漢字と言うものは1字1字に意味を持つので、
何となく、何となくは分かる感じがしますね。
…と、言う所で。
本日はここまで、お開きの時間と相成ってございます。
それではまた次回。
欅の森書道展への作品造り、頑張って行きましょう。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
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