2024年01月23日

2024年1月2回目の教室と「耐雪梅花潔」について。

2024年1月2回目の教室と「耐雪梅花潔」について。




こんにちは、あるいはこんばんは。
信州塩尻市・欅の森書道会です。
本日もWeb担当宗風がお喋りさせて頂きます。
どうぞ、お付き合いの程を願っておきますが…。

何とか週末の雪は雨を伴ってやり過ごした…なんと言う所ですが、
明日からはまた雪の危険があるんだそうで。
どうぞ銘々様、お気をつけ下さいませ。
今年は「雪を忘るる」…と言った年、暖冬真っ盛りなもので、
雪道を歩くにしても運転するにしても、
慣れが無いので危ないと存じますんでね、どうぞ心に留めておいて下さいませ。
どうかご無事で、次回の2月5日にお会いできればと言う所でございます。
その次は2月19日、その先は…と言うと、
これまで未定でしたが、
3月11日、3月25日と定まった様でございます。

2月5日は2月号の競書の締め切り日となります。
3月11日は3月号の締め切り日、
そして3月25日は書象展の作品締め切り日と相成りました。

気楽なところがよろしいんじゃないか…ってンですが、
一生懸命、励んで作品に取り組んで行こうではありませんか…なんと言うところ、
書象会の新年会もまた今週末にございますし、
お楽しみ多い世の中ですので、様々楽しんで参りましょう。

さて。

例によって、
今回も言葉の解説の儀を執り行わせて頂きます。
お正月なので、恭しくめでたく言葉を選んでみましたが、
何のことはない、いつも通りとなっておりまして…。

「耐雪梅花潔」

競書誌「書象」2024年2月号の【基本】課題より。

季節に合う言葉が課題になりましたね~。
この「潔」と言う言葉は、
おそらくは「いさぎよし」ではなく「きよし」と読むと考えます。
Web上で調べてみると「いさぎよし」と書かれているものが複数ありますが、
「清、浄」に通じ、清廉である様を謳っていると思います。
雪に耐え、梅の花がイサギヨイ…正々堂々としている?思い切った感じ?と、
個人的には違和感をもよおします。
雪に耐え、梅の花がキヨイ…清いにはいくつかの意味を含みますが、
清く美しい場合を単に「清い」と表現しますので、
「雪に耐え、梅花潔し」は「きよし」が、より本意に近いのではないか…と考えます。

「いさぎよい」は特に「態度」に使われる言葉。
「澄み切った感じで清々しい」と言う意味もあるので、
違ってはいないですし、それが正しいのかも知れませんけれども、
そんな風に思ったりもする、…諸説あり、自分自身で勉強してみた限り、ですが。

さて、この言葉。
漢詩として他にも言葉、詩句があろう…と言う所なのですが、
もしかすると正にこの字、組み合わせが何かの詩としてある訳ではないやも知れません。
調べてみて、いちばん多く出て来る検索結果としては、
西郷隆盛の詩でした。

妹コトの三男である政直のアメリカ海軍兵学校留学に際し送ったもの、とあり、
「耐雪梅花麗」と一字、異なりますが、「雪に耐え、梅花麗し」、
梅の花の美しさは雪に耐えたから、つまり、
努力があるからこそ花開くと言う応援とも、また「しっかりやって来いよ」と言う、
叱咤激励とも取る事が出来る言葉。

これが含まれる漢詩は以下の通りです。

一貫唯唯諾  
従来鉄石肝  
貧居生傑士  
勲業顕多難 

耐雪梅花麗  
経霜紅葉丹  
如能識天意  
豈敢自謀安  

書き下し文では以下。

一貫す、唯唯の諾
従来、鉄石の肝
貧居、傑士を生じ
勲業、多難に顕わる

雪に耐え、梅花麗しく
霜を経て、楓葉丹(あか)し
如し能く、天意を識らば、
豈(あに)敢て、自から安きを謀らんや

意味としては以下。

納得して決めた事ならばやり通すことだ。
その為には従って鉄の様に硬い心が必要であろう。

英傑は貧しい出から生じるものであり、
栄誉ある所業は多くの困難の先にある。

梅の花は、雪の冷たさ重さに耐えてこそ麗しく咲き、
楓の葉は霜を経て赤く色づく。

これを天意と知る事が出来、理解するならば、
これからの苦難を安々と自ずから離れたりは出来ないだろう。

以上です。
私、宗風なりの解釈ですので正しさと言う点では悪しからず。

この内容を見ても「麗」の部分は綺麗なものと言う表現であるべきで、
「いさぎよし」より「きよし」が良いのでは…?
…と考えるのですが、
もしかすると「いさぎよし」の現代の言葉が「正々堂々」になった形で、
この時代だと…「いとおかし」の様に違う意味だったりするかも?どうでしょうか。

ともあれ。

また一方で禅語の世界に以下の言葉があるそうです。

「耐百雪梅花潔」

百雪に耐え、梅花潔し。
意味は大きく違いませんね。今回の課題に1字加わっているもの。

「梅耐百雪潔」

梅、百雪に耐え潔し。

花の字がなくなり百の字が加わり順番が異なるもの。

意味は同じであり、禅語の根本はずっとずっと古いものですから、
西郷隆盛がこれらを意識しつつ、
送る言葉に含ませたのかも知れません。

色々と調べてみる中で、インターネット上の資料の中には、
小諸市の教育に関わる報告書の様なものの中に、
こうした苦節ある故の褒賞について、「梅花教育」と銘打っている…とも。

これから2月を迎え雪の季節が深まり、その先に春の訪れを待ちますね。
それを目前にしての「耐雪梅花潔」についてお喋りさせて頂きました。

…と言った所で、ちょうどお時間となっております。

それではまた次回。

ありがとうございました。

ありがとうございました。


同じカテゴリー(教室の予定)の記事画像
5月13日は書道教室の開講日でした+書象誌、届いております!
4月8日は書道教室の日でした+「李白一斗詩百篇」
3月25日、欅の森書道会の教室の日でした。
「人生忽として寓のごとし」、基本課題の言葉から。
3月1回目の欅の森書道会、教室の日。連絡事項など。
2月19日は教室の日でした&歴乱李花香について
同じカテゴリー(教室の予定)の記事
 5月13日は書道教室の開講日でした+書象誌、届いております! (2024-05-15 19:13)
 4月8日は書道教室の日でした+「李白一斗詩百篇」 (2024-04-09 21:23)
 3月25日、欅の森書道会の教室の日でした。 (2024-03-26 21:47)
 「人生忽として寓のごとし」、基本課題の言葉から。 (2024-03-21 20:08)
 3月1回目の欅の森書道会、教室の日。連絡事項など。 (2024-03-12 21:39)
 2月19日は教室の日でした&歴乱李花香について (2024-02-20 19:36)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

プロフィール
欅の森書道会
こんにちは!信州塩尻市、欅の森書道会のブログです。書道教室のこと、入会案内など更新して行きます。
基本情報は「カテゴリ」内の「欅の森書道会について」へどうぞ。
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 1人
QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ
インフォメーション
長野県・信州ブログコミュニティサイトナガブロ
ログイン

ホームページ制作 長野市 松本市-Web8