2023年11月21日

11月2回目の書道教室でした+「惟聴松柏聲」について。

11月2回目の書道教室でした+「惟聴松柏聲」について。




こんにちは、あるいはこんばんは。
信州塩尻市・欅の森書道会、Web担当宗風です。

11月17日、18日19日で県展の松本市美術館での巡回展示がありましたね。
すみません、情報がブログに上がっておりませんでした。
出品は元よりお出掛けになられた皆様、お疲れさまでした。

昨晩、玄山先生や池口聖嶽さん、
御子柴英遠さんが来年の催し物の日取りを相談されておりました。
今年はありませんでしたが、来年は書道展を催す巡りの年なのでは?などと想像しながら、
そんな姿をお見かけした訳でして。

県展は最後に11月24日から26日まで中野市で開催されます。
情報をば…念のため…。

さて、昨晩は競書誌「書象」2023年12月号の課題を持ち寄り、
樋口玄山先生に添削して頂きました。
水曜日に競書誌が到来して、20日の書道教室なので、
なかなか時間を取れなかったとは思いますが、
実は来月12月は、12月15日が金曜日で、12月18日が月曜日で書道教室です。
もっと短い。忙しいこととは存じますが頑張って励み、お会いできればと存じます。

第86回、謙慎書道会展の案内が自宅に届けられておりましたね。
そして玄山先生からお手本の案内も。参加される皆様はご健闘を祈っております。

更には、そろそろ「書象展」のお手本の揮毫依頼をお願いする時期になるかと存じます。
こちらもご準備、心構えなどよろしくお願い致します。

次回、欅の森書道会は12月4日となっております。
競書の作品提出日となっておりますので、一生懸命励んで参りましょう!




さて、本日も言葉の解説、競書の中に登場する言葉について、
調べることが出来ましたのでお喋りさせて頂きたいと存じます。
もう少しお付き合いくださいませ。


「惟聴松柏聲」について。


書き下し文では「惟だ聴く松柏の聲」とあります。
「ただ」と言う言葉は現代ですと基本的には「唯」になりますか。
「唯一」と言う言葉もありますし、
パソコン上の辞書だと「惟」は「イ、ユイ、おもう、これ」と読むと出て来ます。

「りっしんべん」は「立心べん」なのですね。言葉で発して来ていたのに、自覚しておりませんでした。
昨日、玄山先生から教えて頂いて、なるほど心を立てた形で成っているいること、
よく分かりました。これは教わらないと理解しがたい様に感じます。

松柏が風によってこすれ合う“聲(声)”をただ佇み聞く情景を思い浮かべます。
松柏は葉でしょうか、風が強く木々がグッグッと鳴るような形でしょうか。
この詩、全文を追って行くとまた見えるものがあるかと思いますので、解説して行きますね。

沈佺期(しんせんき)の「邙山(ぼうざん)」と言う詩になります。

沈佺期は初唐の詩人で字は雲卿。宋之問と共に七言律詩の定型を作った文学者とのことです。
この詩も五言ではなく、実は七言の中の五字を拾ったものだったりします。

邙山

北亡山上列墳塋
(北亡山上、墳塋(ふんえい)列なり)

萬古千秋對洛城  
(万古千秋、洛城に対す)

城中日夕歌鍾起
(城中日夕、歌鍾起るも)

山上惟聞松柏聲
(山上、惟だ松柏の声を聞くのみ)

「邙山」は墓地の代名詞であるそうです。「洛陽」は色んな詩に場面として登場しますね。
墓地とにぎやかな街との対比、そして人生の無情を読んだ詩なのだそうです。

北邙山の上には墳墓が連なる。
それに対する千年万年と続くだろう洛陽の町よ。
町の中は歌声、(踊りなどの)鐘の音が起き賑やかに栄えている。
私はただ山の上で松柏の囁きを聞いている。

…ざっくりと文献を参考に私訳ですけれども、こんな形と存じます。
詩にも様々な世界観がありますが、
こうして欅の森書道会のWeb担当になり、ブログを書くようになり、
書く内容が常にある訳ではないので、自分の学びのためにも漢詩の意味を追うようになり…
そうして漢詩に触れてみると、
例えば怒りがあるならば静かに怒る、またはそれを寂しさで表現する。
そんな情勢を感じたりも致します。
全体に寂しさが滲んでおり、友との別離、送る詩も多くありますし、
寂しい、人の感情の大きな動きを自然と合わせて読むことで、
見事な無情なる心の景色の投影を果たしているのではないか…と思うのです。

この詩も歓楽街の派手さと対比した墓地、その山の寂しさの風景があり、
けして悲観的ではなく、こう、ただ佇んでどこか「そしてどうする?」と言う問いかけ、
これは読み手の現代の自分にも「どう思う?」と迫るようなものがあると感じています。

…と言ったところで、本日はここまで。

最後までお付き合い頂きまして、誠にありがとうございました。
それではまた次回。

ありがとうございました。
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