2023年10月10日

10月9日、10月1回目の書道教室でした+「倚樹聴流泉」について。

10月9日、10月1回目の書道教室でした+「倚樹聴流泉」について。




こんちは、あるいはこんばんは。
信州塩尻市・欅の森書道会です。
本日もWeb担当の宗風にお付き合い下さいませ。

さて、競書誌「書象」2023年10月号の課題提出日でありました。
同じ時間帯であっても、すっかり暗くなる二十四節気「寒露」の翌日、
9日の欅の森書道会、教室の開講日にお集まり頂き、
皆様、お疲れさまでした。

Instagramでのお付き合いで、
樋口玄山先生が山形県へ出張指導に向かわれた事を知りました。
玄山先生が来訪されたこと、添削されたこと、
とても喜ばれており、
また普段はなかなか悩んでいても発露できない、
雅号の書き方も指導を仰ぎ、叶った旨が投稿されておりました。
普段、私達欅の森書道会も月に2度、玄山先生に指導して頂いており、
その熱心な姿勢に感謝してもし切れない程に感じておりますが、
遠く山形県においても、そんな玄山先生だからこそ、
待望され、実現され、喜ばれることは、想像に難くないですね。

さて、次回は10月23日となります。
15日頃に競書誌「書象」の2023年11月号が到来すると思われますので、
入手致しましたら、またブログにご報告する様に致します。




樋口玄山先生より、
11月号に課題「隷書条幅」のお手本をお預かりし、
その言葉が分かりましたので、詩の意味を補足説明させて頂きます。

「倚樹聴流泉」

書き下し文は、どうでしょう…
「樹に倚って聴く泉の流れを」と言った所でしょうか。
(↑その後、調べて微妙に違う事を知る。末文ならこれでも良かったかも?正しくは下記にて、です。)

お手本の2字目は「樹」となっております。
「秋」を「左に火、右にノギへん」とする様な感覚で、
へんの「木」の位置が上に取ってある形ですね。

李白の「尋蕹尊師隠居」と言う詩の一句となります。
「蕹尊師の隠居を尋ぬ」、蕹(よう)は人名となります。
「尊師」は、道教の法師の名だそうです。

群峭碧摩天 逍遥不記年
群峭 碧 天を摩し、逍遥して年を記さず

撥雲尋古道 倚樹聴流泉
雲を撥いて古道を尋ね、樹に倚って流泉を聴く

花暖青牛臥 松高白鶴眠
花は暖にして青牛臥し、松高うして白鶴眠る。

語來江色暮 濁自下寒煙
語り来れば江色暮れ、独り自ずから 寒煙を下る

峭=高く険しい峰。
摩天=天をこするの意。山と意味を合わせると「山は天をこする程の高さ」となる。
逍遥=しょうよう。のんびり過ごす様。

撥雲=雲を開く意味。「發」は「発」なので「撥」はハツ、はねる、はじく。楽器の「バチ」もこの字。

青牛=中国の伝承にも、またラトビアにも「青い牛」はいる様子。
   書道の上にも青墨がありますが、
   灰色っぽい毛色の牛を言うのだと思います。

高く険しい峰は連なり天をこする勢いだ。
その中で、のんびりと穏やかに蕹尊師は幾年か分からない程に過ごしておいでだ。

雲を押し開く様に進み、古い道を尋ねる。
樹に倚りかかり、流れ来る泉の音を聴く。

花は(日の光によって)暖められ青牛は臥せり、
松の高いところには白鶴が眠る。

蕹尊師と語り合っていると川辺の景色は暗くなってしまった。
冷たい靄の中を独り下って帰る。

…と言った様な詩です。

寒暖のある、また天と地のある。
景色、視野の広さを感じながら、
楽しい時間はあっと言う間に、少し寂しく戻る姿、
それもまたどこか愛しさがある様な気がします。

よく玄山先生が指導して下さる中で、
「大きく腕を動かして、遠くから」と伺いますが、
お手本のダイナミックさ、迫力、力強さは、
この自然の大らかさに通じる様な、そんな印象もあります。
昇段、昇級試験の課題ともなりますので、
是非、私自身もまた励んで、仕上げて行きたいと存じます。




…と言った所で、本日はここまで。

最後までお付き合い下さいまして、誠にありがとう存じます。


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Posted by 欅の森書道会 at 17:55│Comments(0)教室の予定言葉の解説
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