・
・
こんにちは、あるいはこんばんは。
信州塩尻市・欅の森書道会、ウェブ担当の宗風です。
お馴染みさまでございます。
1月20日は二十四節気「大寒」の始まりでございましたですねぇ。
寒い寒い日…のはずが、
雪は無く雪は降らず…寒過ぎると凍って雪が降らないなんてありますけれど、
暖かい日でした。諏訪湖の御神渡りの夢は、
ああ今年も無理かも知れないと思ってしまう程に。
季節の動きは不思議なものですねぇ。
欅の森書道会では、来る6月の書象展に向けて、
樋口玄山先生よりお手本を受け取る…なんて時候です。
同時に書象会の新年会も26日に企画されており,風物詩ですよね。
書象展へは,いよいよと言うカタチで盛り上がって行こうかと、
そのような熱い時節とね、寒さとね、対比でね…
書きたかったがそうは問屋が許さなかった…なンてんで。
天候の右往左往は温度の乱高下を、
体調管理に支障をきたす…なんてことが多いので,
皆さま、どうかお気を付けください。
インフルエンザはもうAからBへと大人の階段を登りつつあり,
マイコプラズマ肺炎という踊り出しそうな流行も聞こえております。
温かくしつつ乾燥にも、ゆめゆめ注意なさって励んで参りましょう。
・
次回、欅の森書道会は2月10日が研修日となっております。
少し間が空きますね。
競書の提出日、〆切り日ともなっておりますので,
作品をお持ちくださいませ。
また1月20日では後半にご見学の方が1名様、お見えになりました。
一緒に励む仲間ができると言うのは良いものなので、
より良い結果となりますように。
また、お知らせとして「硬筆」課題に用いる紙の一括購入について,
この案内を入口のテーブルと黒板に張り出しました。
自分が検索した限り、硬筆に用いる紙はネット上などでフリーに販売されているものではなく、
入手経路としては、書象会の本部より入手するしかない…
…と個人的には思っています。見当たらなかったです。他には。
だので、是非一括購入で送料を人数割して、少しですがお得に購入しましょう。
2月10日に締め切りますので、チェックをお願いいたします。
また私、宗風に直接ご連絡していただいても対応いたします。
・
・
さて。
例によって、課題の句の解説をひとつ申し上げまして、
本日はお開きとさせていただきたいと存じます。
競書誌「書象」2025年2月号の【基本】課題は、
「春暁静繙書」ですね。
書き下し文では,「春暁、静かに書を繙(ひもと)く」となります。
この出典を探してみたのですが見つかりませんでした。
「春暁」と「静」の字から、
検索結果は孟浩然の「春暁」と「静夜思」について書かれたものばかり。
しかしながら、よく似た詩を発見いたしました。
宋の時代の章粲 (しょうさん)の詩を今回はご紹介したいと思います。
「晴窓静繙書」が含まれ、「晴窓、静かに書を繙(ひもと)く」となります。
どちらも情景、どちらも静かに本を読むのに適した雰囲気。
本の中身は似合う似合わないがありましょうけれども。
まずは原文。こちらです。
秋日懐松渓趙宰経父
晴窓静繙書、凝塵掩行跡
花影晝簾閒、苔痕秋径寂
憑高招遠風、緑流弄寒碧
緘情寄天涯、杳杳江閩隔
以上です。
続いて書き下し文を…これは私が書いております。
ご参考程度としてくださいませ。
タイトルは、
秋日に、松渓経て父を懐かしむ。
…だと「趙宰」が入って来ない。
人の名前や役職にも見えますが、いまいちヒットしません。
答えがないので、とりあえずこんな雰囲気で。
晴窓、静かに書を繙(ひもと)く、凝塵、行く跡を掩(おお)う。
花の影、晝の簾閒にあり、苔の痕、秋の寂しい径にあり。
憑高、遠風を招き、緑流、寒碧を弄ぶ。
緘情は天涯に寄り、杳杳、江閩を隔てる。
以上です。
語句の意味として難解な部分を追って行くと…。
凝塵=ぎょうじん、塵が積もること。
晝=昼の旧字。
憑高=ぴんこう、臨高に同じ。高所から眺める。
緘=口を閉じること。緘口令(かんこうれい)に使われる字。
杳=よう、はるかで遠いさま、奥深く暗いさま。
江閩=びんこう、地名。川の名前。
それを踏まえて、何となく意味を追ってみると…。
晴れた窓の下で静かに書を読む。
塵が集まり、足跡を覆う。
花の影が昼の簾の隙間から見える。
苔の痕には秋の小路に寂しくある。
高所にて遠くを見れば風を感じられる。
木々の中に寒風が吹き、葉を揺らしている。
想いはそっとしまっておこう。
遠く暗い江閩の向こうに。
…なんて訳でどうでしょうか。
大いに雰囲気だけで、何となく合わせて行った感じです。
正確な訳が見つかりませんで、
本当に字の流れ、思い浮かべる情景から書いてみました。
この初句が今月の課題…ではなく、
まぁ、よく似ている漢詩だね、と言うところです。
「春暁静繙書」の出典、どなたかご存知ならばご教示くださいませ。
では、本日はここまででございます。
ちょうどお開きと言ったところ。
それではまた次回にお会いいたしましょう。
ありがとうございました。
ありがとうございました。